愛のロケット

本当にただの妄想っていうか願望なんですが、昨日ちょっと口に出してしまったのでまとめてみる。
最近の作品では石岡君が「執筆時点」の近況的な事を言及しなくなっていて、最後に馬車道に住んでいることが確認できるのは『クロアチア人の手』事件が発生した2006年2月時点（文庫P203）。
最新作『星籠の海』では今のところ近況には一切触れられていない。

ここから完全に妄想なんですが、もしかしたら石岡君は今馬車道のあの部屋には住んでいないんじゃないかなあと思っています。
別にスウェーデンに行かなくてもいいんですが、馬車道にはいるかもしれないけどあの部屋には住んでいないとか。
んで、固定電話も携帯も変えずに御手洗さんにも黙っている。御手洗さんがいざ帰ってきたが、誰もいない部屋にぽつんと「僕を探してみろ」という書置きだけが残されていた…

…そんな二次ください。原作でもいいです。

真面目な話として『最後の一球』や『海と毒薬』『犬坊里美の冒険』を書かれたあたりでは馬車道を出るような構想があったんじゃないかなあ…と妄想しているんですが。先生どうなんですか先生。
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ぽちぽちありがとうございました

シリーズにおける御手洗さんの刑事事件への関わり方などについて。
場合によっては重複する事件もあるなあと思いつつ、あえて読み返さずざっくり思い出すままに乱暴に分類。
下の方で星籠の一部ネタバレがあるのでご注意を。

１　依頼人からの要請
１－１　刑事事件としての相談
１－１－１刑事事件が進行中である
例：『ギリシャの犬』
『IgE』
『魔人の遊戯』
１－１－２刑事事件は既に完結している
例：『占星術殺人事件』
『ある騎士の物語』
『水晶のピラミッド』
『ネジ式ザゼツキー』
『摩天楼の怪人』（進行中？）

１－２　刑事事件であるか不明な事件の相談
１－２－１刑事事件の発生前である
例：『UFO大通り』
１－２－２刑事事件が進行中である
例：『山高帽のイカロス』
『舞踏病』
『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』
『山手の幽霊』
『龍臥亭事件』
１－２－３刑事事件は完結している
？

２　警察からの要請
２－１刑事事件が進行中である
例：『斜め屋敷の犯罪』
『山手の幽霊』
２－２刑事事件は完結している
例：『数字錠』
『上高地の切り裂きジャック』
『クロアチア人の手』

３　依頼はないが事件を知り能動的に関わる
３－１刑事事件が進行中である
例：『糸ノコとジグザグ』
『暗闇坂の人喰いの木』
３－２刑事事件は完結している
例：『眩暈』
『 傘を折る女』
『ボストン幽霊絵画事件』

４　巻き込まれる
例：『異邦の騎士』
『疾走する死者』
『最後のディナー』
『龍臥亭幻想』

『アトポス』はなんと１～２回しか読んでおらず内容をきちんと思い出せない…１－１－１でいいと思ったんですが。
『最後の一球』はどこに分類したらいいのかなあ。

「連続殺人を止められない探偵」ははたして名探偵なのか、ということはよく言われることでありますが、御手洗さんは基本的に刑事事件が進行中であることを察知した段階で即全体像を把握し発生を未然に防ぐという探偵なので、基本的には連続殺人は発生しない。
彼が関わってから犠牲者が出るのは、最初の犠牲者により事件が動き出す場合、または何らかの事情で事件発生を止めることができない状況下におかれている（『龍臥亭事件』や『魔人の遊戯』なんか典型ですね…）かのどちらかにざっくり分別できるかと思います。『暗闇坂～』『山手の幽霊』なんかは例外的なケースと言える。
そのため御手洗さんを探偵役とする以上は進行中の連続殺人を扱うことができない。なので多くの事件が必然的に既に起こってしまった事件を解決する、または事件を未然に防ぐ、のいずれかになるため、事件発生直後の新鮮な現場に出くわす機会も少なくなるわけです。
『龍臥亭幻想』で石岡君が現場の分析をしていたシーンで「いつの間にそんな経験を積んでいたんだ随分唐突だ」と感じたんですが、よく考えたらそんなシーンが登場しないのも当たり前だった。

そんなことを星籠２話目で思いました。

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ぽちぽちありがとうございます

８月１８日（日）のSCC大阪ではfable様（縹シロ様　６号館Ｃゾーン　つ73a ）に委託していただけることになりましたー。
既刊となんか勢いでR18マンガのペーパーを置かせていただきますのでペーパーは大人の皆さんだけよろしくお願いします。
シロさん宅では超豪華ショタ３１４合同誌が発行されます。超楽しみ！
あ、R18は私が描くようなものなんであんまり大したものじゃないです（笑）
しかしこんな灰色多めでコピーして大丈夫かなあ…。

ところでメフィストは入手してます。感想は後日。
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ぽちぽちありがとうございました。

もう八月じゃないですか！あらやだ！辛うじて生きてます。
ショタのいちゃこらばかり描いていたので大人のいちゃこらをリハビリしてます。
「これ絶対入ってるよね」（＠みうらじゅん）いやまだ入ってない、入ってないから！

ぽちぽちありがとうございましたー

ギイ、とどこかで扉が開いた。
けれども私はドアも何もない、真っ白い部屋の真ん中に一人立っている。
どこから聞こえたのだろう。夢にしては妙にリアルだ。夢？そうだ、これは夢だ。私の部屋のはずがない。
私はまだ眠っているのだ。しかし目覚めの予兆はない。不思議な気分だ。
誰かの足音が聞こえる。まるで精神分析のテキストに出て来そうな夢だ。ここで登場する人物が自分にとってどういう位置づけなのか、という類の。しかし私の場合、このような状況で登場するのは十中八九、同居人だ。分析する意味もない。
だが予想に反して足音は妙に軽やかだ。御手洗ではない。いや、人間でもない。
動物？そう思ったら部屋の中に突然犬が現れた。大型犬だ。ゆっくりと近づいてくる。長い茶色の毛並み、賢そうな瞳。生暖かい息。

……息？

ああ、これは――

「ぐぇっ……！」

重い重い重い重い重い。
痛い痛い痛い痛い痛い。
鳩尾にいきなり衝撃を受けた。夢じゃない。一気に覚醒した。

そうだった。昨日からハイディとヨーゼフが泊りに来ていたのだ。
ヨーゼフは悶絶する私を無視してそのまま圧し掛かってきた。前足が腹に食い込んでいる。もう一方は胸の上だ。苦しい。退かそうにも40㎏強の巨体が全力でかかってくるのだからどうにもならず、なすがままに顔中を舐め回される。
「こらっ……やめろ…！ストップ！ストーップ！！」
ようやく制止が通じた。文字通りに息も絶え絶えに身を起こすと、ヨーゼフは嬉しそうに口元を緩めたまま尻尾をブンブンと振っている。痛くて重くて顔中ベタベタするが怒るわけにもいかない。彼は忠実に任務を果たしたのだ。首筋をワシワシと撫でてやるとさらに嬉しそうに顔をベロンと舐められた。
「……ヨーゼフ、頼むからもっと優しく起こしてくれ…」
「ワン」
いいお返事だが理解してくれたのだろうか。
だいたい私は寝る前にきちんとドアを閉めたはずだ。ヨーゼフは賢い犬だが自分でドアを開けることはできない。
「御手洗め…」
御手洗はいつも不規則な生活をしているくせに、犬たちが遊びに来ると散歩に連れて行くのだとやたら早起きになる。それだけなら結構なことだが私がいつまでも眠っているのは気に食わないらしく、普段通りの時刻に起きると(言っておくが普段の御手洗よりもよほど早起きだ)「それだけ寝ればさぞ脳も活性化しただろう」などと嫌味を言ってきたり、今朝のように彼らを使ってまで無理矢理起こしたりしてくる。
ヨーゼフを先にリビングへ追いやり、私は洗面所に直行した。ヨーゼフまみれの顔を洗っていると御手洗が入ってきた。
「やあお早う、石岡くん。今朝はまた随分遅いじゃないか」
「……頼むからヨーゼフに起こさせるのは勘弁してくれ。そのうち骨か内臓がやられる」
「大層情熱的なお目覚めのようだがお気に召さなかったのかい。今度はレディにお願いするかな」
ハイディは大人なので顔こそ舐めないが、私の制止が通じないので結局酷い目に遭ことは変わらない。ばちゃばちゃとわざと派手に水飛沫を立てて聞こえないふりをした。
「あちこち飛んでるじゃないか。綺麗に拭かないとカビが生えるんだろう」
「いいからタオルとってくれよ」
何のつもりか、まだ出て行く気はないようなのでついでだから使ってやる。御手洗はいかにも渋々といったようにラックから新しいタオルを出してくれた。
「ありがと…？」
受け取ろうとした手をそのまま掴まれ、顔をワシワシと乱暴に拭かれる。
「ちょ…！やめろよ、自分でやるっ…」
解放されたと思ったら今度は御手洗の唇が降ってきた。
「ん…………」
唇を舐められ、たまらず小さく開いたそこから舌が滑りこんでくる。
深く絡め、吸い上げられ、こんな時間にしては些か情熱的すぎる口付けから解放された時には私の息はすっかり上がってしまっていた。
「……………………朝から何するんだ…………」
「お目覚めのキスだよ」
「もう起きてる……犬に対抗するなよ…」
自分からけしかけておいて何を言うんだ、この男は。
「じゃあ僕が起こしても良いのかい」
「…………絶対その後起きれなくなるから嫌だ」
「だろ？ハイディもヨーゼフもお腹が空いたまま可哀想なことになるんだ。この方が効率的だよ」
そう言って御手洗は邪気のない顔でにっこりと笑う。何だか妙に得意気だ。

――ああ、さっきのヨーゼフと同じ顔だ。

だから私は撫でてやる代わりに、触れるだけのキスをした。

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これもまたキスアンソロの再録でございます。